事業譲渡 その2
コーディネーターの高野です。
前回同様、A社がB社からc事業の譲渡を受けた例です。
A社代表者は、B社代表者からc事業の営業利益が年間2000万円程度と聞き、これを信じて3年分相当の6000万円の売却代金としたが、B社代表者の説明も提出した資料も虚偽であり、3年継続して営業損失を計上している。
A社は、B社に対してどのような請求ができるかという問題です。
A社は、虚偽の説明を受けて事業譲渡契約を締結しておりますので、B社に対して説明義務違反(不法行為)による損害賠償請求をすることができます。
事業譲渡においては譲受事業者(A社)が譲渡事業者(B社)の調査をすることが前提ですので、裁判例においては消極的説明義務(虚偽の説明をしない義務)に反して積極的に虚偽の説明をした場合には譲渡事業者(B社)の責任を認める傾向にあります。
珍しい例ですが、京都地裁平29.3.9判決は、同様の事例で事業譲渡契約の詐欺取り消しを認めております。
事業譲渡契約が取り消されると、A社はB社に対して事業譲渡の対価として支払った6000万円の返還を請求することができます。
詳しくは、当拠点もしくは弁護士会中小企業法律支援センター(0570-001-240)にご相談ください。
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