あるべき人事評価制度
【 人事評価制度の真の目的 】
従業員のモチベーションを上げて定着させる大きなポイントは、会社の経営を維持向上
させることです。
その観点から現在実施されている従来の人事評価制度をみていきます。
人事評価制度の真の目的は単に従業員を評価して給与やボーナス額を決めるという
ことではなくて、「従業員を育てて企業を発展させる。」ことにあるでしょう。
従来の人事評価制度は、高度成長時代に用いられ売上増加を前提に考案されており、
評価項目は抽象的でわかりにい、評価のための評価であるような課題を含んでいる
ように思われます。
そこで、従来の人事評価制度ではどのような課題があるのか、
それをどう解決していけばよいのかを考えていきます。
【 従来の人事評価制度の課題 】
① 従業員全員を何故 「 S評価 」にしないのか
※人事評価は S、A、B、C、D の5段階評価で行います。小学校の通知表と
同じで5がSで、1がDという具合です。
② 評価方針は個人成果主義や目標管理主義でよいのか
※評価の基準として、個人ごとの成果や、前もって設定した目標を達成したときに
評価するという考え方で本当によいのかどうか。
会社内の協力関係が崩れたり、低い目標設定になり個人や会社のレベルが下がりはしないか。
③ 評価項目は抽象的なので、本人も評価者もわかりにくいと思っている
※協調性があるとか、業務を効率的に行っているなどの評価基準では、
何をどう評価したらよいのかわからない。評価者訓練を行ってもわからない。
人事評価制度自体をやめてしまうことになります。
④ 5年経っても「優秀な社員は優秀で、普通の社員は普通、できない社員はできない。」
であるならば人事評価をする意味がなくなってしまう
※普通の社員を優秀に、できない社員を普通にすることが必要です。評価の基準を
具体的な業務改善項目にして、従業員のレベルを上げていきます。
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それでは、上記の課題をひとつ、ひとつ見ていきましょう。
まず、① 従業員全員を何故 「 S評価 」にしないのかについて、
《 号俸給表 》
会社の給与テーブルは、所謂、号俸給表を使われていると思います。これは、
資格等級ごとに1号から例えば60号まで1,500円ピッチで給与額が並んでいます。
評価がよければ、例えばS評価では4号ごと(6,000円)に、A評価では3号ごと(4,500円)
に給与が上がっていきます。
これは高度成長時代のように経営資源が豊富な時代には適用できましたが、
企業業績が変動したり低迷するのであれば、S評価を出すことは、
昇給原資が不足し企業存続の危機になります。
今では号俸給表どおりには昇給できずに人事評価制度自体をやめたり、
せっかく優秀な社員がいるのにB評価で甘んじています。
これでは、優秀な社員が離職してしまいます。
《 皆がS評価で会社も個人もレベルアップ 》
一方、社員みんなが頑張って全員S評価を取ることができれば、社員個人のレベルが上がり、
ひいては会社のレベルも上がるはずです。
小学校の通知表のように、評価のばらつきは正規分布になる必要はありません。
したがって、人事評価による昇給額は、会社の昇給原資予算額に収まるようにする
必要があります。そうすれば、社員全員にS評価をあげることができて、
社員のモチベーションは上がるはずです。
これは人事評価をポイント制とすることで解決します。
その他の課題については次回以降にご説明していきます。
(但し、内容が変わるかもしれませんので、その場合はご了承ください。)
熊本県よろず支援拠点 コーディネーター 原川 修一
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